SPring-8 利用者懇談会 X線スペクトロスコピー利用研究会
Group of X-ray Spectroscopy Users (GXSUs)


研究会の活動目的

 XAFS,蛍光X線分析を始めとするX線スペクトロスコピーは,産学双方での材料系の研究に携わる研究者・技術者にとって極めてファミリアな必須研究手法の一つとなっている。すなわち,現在,X線スペクトロスコピーはこれらの研究には欠くことはできない要素技術として存在している。従ってユーザーには, X線スペクトロスコピーという手法の専門家よりもむしろそれを道具として活用する研究者人口の比率が圧倒的に多い。一時のコンピュータの発達がそれを利用するサイエンス,技術を飛躍的に高めていったように,X線スペクトロスコピーの技術やスキルの発展はナノ,バイオ,デバイス,ケミカルデバイスといったマテリアル系サイエンスや環境技術等の先端研究の大きな発展を促しており,今後その波及効果が更なる拡大をすることは間違いない。ユーザーの要求はX線スペクトロスコピーの技術の進歩と雁行しあるいはそれを通り越し膨張を続けている。従って,X線スペクトロスコピーのスペシャリストと実験手法を利用するエンドユーザーとの間の思惑の乖離はこれらのサイエンスやテクノロジーの進化速度を緩める事になるのは必定である。逆にX線スペクトロスコピーのスペシャリスト,エンドユーザー,SPring8内部スタッフの3者が意思を疎通しあい具体的な目標を共有すれば,SPring-8から新たなサイエンス,テクノロジーを夥多発信できる事が大いに期待される。

SPring-8では,BL01B1(汎用及びQuick XAFS),BL19B2(産業利用主体の汎用XAFS),BL28B2(時分割XAFS),BL37XU(マイクロビーム蛍光分析,高輝度光利用XAFS),BL39XU(偏光利用XAFS,寿命フリーXAFS)などで最先端のX線吸収スペクトロスコピーの実験手法が展開されており,利用者にとって最も望ましい実験環境を提供する潜在能力を持っている。しかし各ビームラインで展開されている手法の全てを把握し有効利用している利用者の比率は高くないと思われる。本研究会は,このような種々の実験手法の利用普及を行うことを目的の一つとする。特にマイクロビームを用いた手法については,元素分析だけでなく化学状態分析・局所構造解析までを希望する利用者が拡大しつつあり,その普及は従来のXAFS・蛍光分析双方の利用者にとって重要と思われる。また,先端的な材料・物質科学の研究を行っている研究者の中には,X線スペクトロスコピーの潜在的な利用者が産学双方に数多く存在する。これは,上記ビームラインの新規利用者の中から優れた成果が数多く輩出されていることからも明らかである。このような新規利用者の拡大を図ることも,本研究会の目的とする。

現在,各ビームラインでは新規実験手法の開発(特にin-situ時分割,マイクロビーム利用など)やハイスループット化などの高度化,あるいは新規ビームラインの建設が計画されており,これらの実現において,そこで新規に展開されるサイエンスの検討や,利用の観点からの提案を通して「使える先端的実験ステーション」の整備に協力することも重要な目的である。

本研究会は,これらを効率よく可能とさせるべく, X線スペクトロスコピーを利用する・発展させる・実現させるユーザーおよびスタッフからなる, 研究手法をバインダーとしたメンバーにより設置されるものである。これらの実現に向けて,本研究会では,以下の活動を行なう。

1.催事・啓蒙活動

 (1)講演会

 (2)講習会

 (3)勉強会

 (4)利用報告会

2.SPring8内部スタッフを含めた会議

 (1)必要とされている実験技術

 (2)今後のBLの改良・変更・新設の提案

 (3)異分野間の融合研究の推進

1.の活動を通して,SPring8における成果を流布,浸透させることによりユーザーの裾野を拡げ,また既存利用者の研究の新展開を促すことを図る。さらには,1.を踏まえた上で2.の活動を通し,SPring8の施設拡充に協力し,新たなサイエンスの創出を推進することを目的とする。

BL01B1 Home


2006/9/11 Hajime Tanida, tanida@spring8.or.jp