BL01B1パルスレーザー操作マニュアル

      ver. 2001.1.19

JASRI 利用促進部門 宇留賀朋哉

目次

 

1.はじめに

 

2.安全に関する諸注意

 

3.インターロック動作

 

4. レーザー始業点検項目

 

5.操作手順

 

5−1.開始手順

 

5−2.光路調整手順

 

5−3.YAG3倍波を使用する場合の初期レーザー調整方法

 

5−4. レーザー発振を一時停止する際の手順

 

5−5.レーザー実験を終了する際の手順


1.はじめに

本手順書は、BL44B2パルスレーザー操作マニュアル(理研 足立伸一氏作成)をBL01B1用に書き直したものです。

このレーザーはContinuum社製のNd:YAGレーザーPowerlite8000(BL44B2所有品)で、出力等は以下のようになっています。

 

波長(nm)     出力(mJ)      パルス幅(nsec) 

 1064            1200            7

  532          600            6

             355             310                6

             266             120                6

 

クラス4指定レーザーですので、誤操作による事故が起こらないよう、この操作マニュアルをよく読んでから使用してください。また、レーザーのより詳細な操作方法やメンテナンス方法については、

Operation and Maintenance Manual for the Powerlite 8000 Series Laser

を参照してください。

 

 

2.安全に関する諸注意

2.

安全のために以下の事項を必ず守ってください。

レーザーを操作する際には、レーザー用保護メガネを必ず着用してください。

レーザー光を覗き込んだり、直接皮膚に当てないようにしてください。

レーザー管理区域内では、レーザー機器管理者の指示にしたがってください。

 

 

3.インターロック動作

 

BL01B1では実験ハッチ内部全体がレーザー管理区域として指定されており、以下に示すインターロックによって安全管理がされています(図1)。インターロックの仕様は以下のようになっています。

 

レーザーインターロックスイッチがONのとき

入口の扉が閉じていないとレーザーの発振を開始できません。

レーザー発振中に扉が開いた場合にはレーザーが強制停止します。

レーザー発振中に「アボートボタン」を押すとレーザーが強制停止します。

 

レーザーインターロックスイッチがOFFのとき

レーザー運転中でも扉を開けることができます。ただし、この操作は最小限の出力のレーザー光で光路調整する場合に限り行なうことができます。

光路調整中に「アボートボタン」を押すとレーザーが強制停止します。

 

4.レーザー始業点検項目

  実験ハッチ窓2箇所にはレーザー散乱光の漏れ防止用にアルミホイルが貼り付けられています。このアルミホイルに穴がないこと。

  レーザー光終末端の遮蔽体が設置されていること。

 

5.操作手順

5-1. 開始手順

 

  チラーのInletをレーザーコントローラーのTO DRAINへ、OutletをFROM TAPへ接続する。

  コントローラ表側パネルの各設定値を下記のように設定する(Default値)。

Vol: 1.4 kV、Osci: 80μs、Amp: 550μs

  レーザーインターロックスイッチをOFFにする。

  循環冷却水を流し始める。チラーのバルブはInlet、Outlet共にFull open、水温は20℃とする。PUMPとCOOLERの両方をONする。(チラーのバルブを開いても、始めのうち水は流れない。水圧が掛かった状態で保たれる。以下の手順で、フラッシュを発振して、ある値まで温度が上昇すると、TEP. REG. VALVEが開き、初めてチラーからの冷却水が流れる。)

  コントローラ表側のブレーカスイッチをONにする。ハッチ外側の「LASER ON」ランプが点灯することを確認のこと。

  コントローラのキースイッチをONにする。リモートボックス上にフラッシュランプの発振回数が表示されるので、日時と発振回数をログブックに記入する。

  リモートボックス「auto/manual」ボタンを押す。

FLASH ONLY                         PGM1

10Hz                        1μs        ACTIVE

と表示される。

  start」ボタンを押してフラッシュランプ発振を開始させる。この状態では、まだレーザーは発振していない。

  熱安定化させるためこの状態で30〜60分ほど放置する。フラッシュランプが加熱して水温が80°F以上になると、冷却水の循環が始まり、レーザー発振が可能になる。

  まず、非線形結晶をウォームアップするため、レーザーを低出力にセットする。

AMPのダイヤルを550μsに設定する。

リモートボックスの「program」ボタンで、励起タイミングモード:90μs@10Hz(PGM 4)を選択する。以下の表示になる。

F/1                      PGM4

10Hz      90μs      SELECT

  リモートボックスの「activate」ボタンを押す。表示されている励起タイミングモードが選択され、ACTIVEになる。

F/1                      PGM4

10Hz      90μs      ACTIVE

  リモートボックスの「Q-Switch」ボタンを押すと、レーザー発振が始まる。

  リモートボックスの「shutter」ボタンを押すと、シャッターが開き、レーザー光が本体から放射される。

  低出力モードで5分間運転し、非線形結晶をウォームアップする。

  光軸調整を行う場合、5-2項へ進む。

  ウォームアップあるいは光軸調整が終了したら、リモートボックスの「shutter」ボタンと「Q-Switch」ボタンを押し、レーザー発振を停止する。

  ウォームアップ後あるいは光軸調整終了後、レーザーのパワーを上げる場合、まず、AMPを実験で使用する所定出力まで上げる。500→200μsは一気に上げる。それ以上に上げる場合は、200→50μs に30s程度時間をかける割合で徐々に上げる。

  ハッチの扉を閉め、レーザーインターロックスイッチをONにする。

  リモートボックスの「program」ボタンで、所定の励起タイミングモードを選択する。

最大パワーは励起タイミングモード:190μs@10Hz(PGM 3)で得られる。

F/1                      PGM3

10Hz      190μs     SELCT

  リモートボックスの「activate」ボタンを押す。

F/1                      PGM3

10Hz      190μs     ACTIVE

  リモートボックスの「Q-Switch」ボタンを押すと、レーザー発振が始まる。

  リモートボックスの「shutter」ボタンとを押す。

 

5-2. 光路調整手順

  レーザーを発振させている場合、リモートボックスの「shutter」ボタンと「Q-Switch」ボタンを押し、レーザー発振を停止させる。(フラッシュは発振させたままでよい)。

  レーザーインターロックスイッチをOFFにする。

実験ハッチ扉を開けられる状態になる。

  レーザーのパワーを最低パワーに下げる。

まず、リモートボックスの「program」ボタンで、パワーの低いレーザー発振モード:90μs@10Hz(PGM 4)を選択し、「activate」ボタンを押す。

次に、AMPのダイヤルを550μsに設定する。

  保護メガネを着用する。

  リモートボックスの「Q-Switch」ボタンを押すと、レーザー発振が始まる

  リモートボックスの「shutter」ボタンを押す。

  必要に応じ、実験ハッチ内の蛍光灯を消しす。

  白紙でレーザー光を確認しながらミラーの角度、試料位置等を調整する。目や皮膚にレーザー光を照射しないよう十分に注意すること。

  光軸調整が終了したら、リモートボックスの「shutter」ボタンと「Q-Switch」ボタンを押し、レーザー発振を停止する。

  光軸調整終了後、レーザーのパワーを上げる場合、まず、AMPを実験で使用する所定出力まで上げる。500→200μsは一気に上げる。それ以上に上げる場合は、200→50μs に30s程度時間をかける割合で徐々に上げる。

  ハッチの扉を閉め、レーザーインターロックスイッチをONにする。

 

5-3. YAG3倍波を使用する場合の初期レーザー調整方法(ビームライン担当者が行う)

 

  LaserキースイッチOFFにする。

  YAGレーザー本体背面にある倍波切替スイッチで355nmを選択する。

  フラッシュ点滅のみで30-60分間ウォームアップ運転する。

  非線形結晶をウォームアップするため、レーザーを最低出力に設定する。

まず、リモートボックスの「program」ボタンで、パワーの低いレーザー発振モード:90μs@10Hz(PGM 4)を選択し、「activate」ボタンを押す。

次に、AMPのダイヤルを550μsに設定する。

この状態で5分間運転する。

  保護メガネを着用する。

  レーザー出口にパワーメーターを置き、レーザーのパワーを確認する。約0.16W=16mJ@10HzであればOK。

  レーザー出口で専用紙を焼き、レーザーの強度分布を確認する。円形で均等であればOK。

  レーザーパワーまたは強度分布が十分でない場合、以下の手順で非線形結晶の角度を微調整する。パワーメータの出力を確認しながら、まず、リモートボックスの2倍波結晶用ステージNo.1のCWまたはCCWスイッチを1回押す。(1回押すと所定の量だけ移動する。バックラッシュあり)。最大強度になる位置を求める。次に3倍波結晶用ステージNo.2のCWまたはCCWスイッチの調整により、最大強度になる位置を求める。

  AMPを実験で使用する所定出力まで上げる。500→200μsは一気に上げる。それ以上に上げる場合は、200→50μs に30s程度時間をかける割合で徐々に上げる。

  実験ハッチ外に退避し、扉を閉める。

  レーザーインターロックスイッチをONにする。

  リモートボックスの「program」ボタンで、所定の励起タイミングモードを選択する。

最大パワーは励起タイミングモード:190μs@10Hz(PGM 3)で得られる。

  リモートボックスの「activate」ボタンを押す。

  リモートボックスの「Q-Switch」ボタンを押すと、レーザー発振が始まる。

  リモートボックスの「shutter」ボタンを押す。

  5分間ウォームアップ運転する。

  CCDカメラによりパワーを確認する。

レーザーの最大パワー時:2.00−2.20W=200-220mJ@10Hz。

 

 

5-4. レーザー発振を一時停止する際の手順

 

  リモートボックスの「shutter」ボタンと「Q-Switch」ボタンを押し、レーザー発振を停止する。

  1時間以上レーザー発振を停止する場合は、フラッシュランプの消耗を防ぐため、リモートボックスの「stop」ボタンを押し、フラッシュ発振も停止する。

 

 

5-5. レーザー実験を終了する際の手順

 

  リモートボックスの「shutter」ボタンと「Q-Switch」ボタンを押し、レーザー発振を停止する。

  リモートボックスの「stop」ボタンを押し、フラッシュ発振を停止する。

  レーザーインターロックスイッチをOFFにする。

  扉を開けて実験ハッチ内に入り、コントローラのキースイッチをOFFにする。

  コントローラ表側のブレーカスイッチをOFFにする。ハッチ外側の「LASER ON」ランプが消灯する。

  循環冷却水を停止する。(PUMPとCOOLERを両方OFFにする)。(ビームライン担当者が行う)。


BL01B1 実験ハッチ内のレーザー装置の配置

 

 

 

テキスト ボックス: 蛍光分光器台

 

テキスト ボックス: XAFS実験台

テキスト ボックス: レーザー
アボートボタン
テキスト ボックス: 放射光

テキスト ボックス: レーザー台テキスト ボックス: コントローラ

 

テキスト ボックス: 扉1  扉2

テキスト ボックス: レーザー警告灯テキスト ボックス: インターロック切替スイッチ

テキスト ボックス: リモートボックス

 

 

 

 

レーザーインターロック信号のロジック

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図1